2015年2月23日月曜日

<5>ス・パゲティ先生の「これからの資産の話をしよう」 ~21世紀の「資産論」~

 ”21世紀の資本”のピケティ先生をオマージュしているんだかパロディなんだかすでにわからない男、


 どうも、非経済学者のス・パゲティ教授(自称)


です。


 これまで4回に渡って、21世紀に生きる我々が知っておくべき「資産とはなにか」という話をしてきました。そこで5回目の今日は、その集大成として、この資産とは何かを明解に説明してみたいと思います。


 「21世紀の資本」について語る「これからの資産の話をしよう」という題して「資産論」


 では、はじまりはじまり~。



・・・誰だ?!トマ・ピケティとマイケルサンデルとカールマルクスのパクリだ!なんていうのは!


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 先日から、いろんな目線で資本と資産について語ってきたわたくしパゲティですが、たまたまツイッターをみてたらちきりんさんがらみのツイートが流れてきました。


ちきりんさんのツイートより
https://twitter.com/InsideCHIKIRIN/status/569311583857307648



 ちきりんさんのアカウントはフォローしているのですが、特段この話を意識してブログを描いていたのではないので、


「ああ、偶然おんなじ話をしてるなあ」


と思ってみてました。考え方も基本おんなじです。お金を生み出すものは資産であって、お金を生まないものは試算ではない。ちきりんさんはこれを「経費」と表現なさっていますが、その表現もいいなあ、納得です。


 これに付随して、私は以前、「マンションがどうして負債じゃなくて資産なんだゴルァ」という記事も書いているので、この辺もご参考になさってください。



<過去記事>
「もう一度訊く!『どうしてマンションが資産になるのかわからん』
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/11706711.html




 パゲティにとってはマンションは全く資産ではありません。ちきりんさんの表現を借りるなら、経費ですね。だとすれば賃貸と同じ。

 しかし、最後に最終処理する必要があるのが賃貸との違いで、そこが負債になる可能性大ということです。



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 というわけでおさらいですが、資産というのは、このブログでは3つのタイプがあることを以前にお話しました。


①そのものが最後にいくらかで売れたら、それは資産。

②そのものがいくらかずつの利子を生んだら、それは資産。

③そのものを担保に、いくらかのお金が借りられたら、それは資産。


という3つでしたね。


 それ以外のものについて、ちきりんさん風に解釈すれば、


お金を生み出すことを資産といい、それにお金を使うことを投資という


お金を生み出さなければ、それは経費であり、経費にお金を使うことを消費という


ということになるらしいです。ああ、もちろんこれ自体はパゲティも同意。




 さて、ではここからですが、たとえば「車を所有することはどうか」とか、「大学へ行くことはどうか」とか、「1人暮らしの経験はどうか」とか、もう少し具体的な例でも考えてみたいと思います。


 私たちはふだん、ありとあらゆることにお金を使いますが、それが「消費や浪費」なのか、それとも「投資した結果資産」となっているのかを検証しようというわけです。



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 たとえば、車を持つことが資産や投資になるかどうか。これはパッと考えただけではわかりにくいです。

 ある一定年数の間は売れますから、目減りするけれど資産だと言えるし、毎日車が必要な地域の人にとっては、別の交通手段よりも自家用車のほうが断然経済的な場合もあるでしょう。


 逆に、15年落ちの車は、どんな車でも資産価値はほぼゼロです。また、都会の人にとっては、所有コストのほうがレンタルコストよりも高くつきますから、それは消費・浪費に近いものとなるかもしれません。



 ・・・ということは、結論ですが、「車」というモノが資産に当たるか消費に当たるかは、


「あなたの生活との損益分岐点をはじき出した時点ではじめてはっきりする」


ということになるでしょう。


 ど田舎村では、確実にコストよりリターンが大きいし、レクサスよりも軽自動車のほうが、実は利益率が大きいので資産価値が高い、ということになるかもしれません。


 レクサスに20年間乗る場合、レクサスが400万円だとして、年間コストは20万円かかります。


 軽自動車に20年間乗る場合、価格が100万円だとして年間コストは5万円です。



 どちらもほぼおなじ乗車定員(4人か5人)ですから、乗れる人数で割っても差はたいしたことではないので、


 車輪が4つあって、どちらもちゃんと走る


ということを満たす分でいえば、レクサスは4倍も浪費するヤツなのです。




 仮に、乗せる相手が、あるいは乗る人物が、軽自動車よりも4倍稼ぐ人物、年収でいえば300万円の人と、1200万円の人の差があれば、まあレクサスでもいいんじゃないと言えそうですが、


 どちらに乗るのもおなじあなた


だとすれば、軽自動車に乗るほうが、4倍あなたの資産が増えるということです。

 だから軽自動車のほうが、資産価値が高いのです。


(ただし、売値でいえば損益分岐点がありますよ。20年のうち何年かまでは、レクサスのほうが、売った場合にマシな期間がありますから)



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、「大学へ行くことは資産かどうか」という問題。ちきりんさんはけっこうシビアなので、職業としてお金を生まない大学へいくのは単なる出費と切り捨てておられますが、これも人によって事情が違うのでしっかり


損益分岐点をはじき出しましょう。



 大卒初任給と高卒初任給に差があるので、最終的には大卒のほうがいろいろと有利とされていますから、大学へ行くこと自体は資産価値がありそうです。


 しかし、大学へ行っても就職できなかったり、卒業後ニートとして暮らすのであれば、完全に浪費ですね。


 私の知り合いにも同志社出て引きこもっている人がいるので、彼は完全に社会のお荷物かもしれません。

 逆に、名もなき大学を出て、公務員になっている人がいれば、それはそれでおいしかったかもしれませんね。


 こればっかりは不動産がいくらで結局売れたかとおんなじで、最後にならないと資産価値はわかりません。


 就職だけでなく、転職もあるだろうし、人脈が変わる場合もあります。死ぬ間際にしか、その真の価値はわからないので、結局は



 あんた自身に人生の価値があったのかどうか



ということにズバリ尽きます。



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 人生の話が出たので、「体験・経験は資産か」ということを最後に考えてみましょう。


1人暮らしをしたこととか、留学の経験とか、高級ホテルでのディナーとか、クルーズを楽しんじゃったりするという


「体験・経験」がその後の人生として生きてくるかどうか


という話です。


 たしかに、そうした経験があるのとないのとでは、人生の豊かさがお金に替えられない部分で違ってきそうな感じがします。


 1人暮らし経験のおかげで家計について判断できたりするのなら、それは資産ですよね。


 あるいは、たとえそれが高級ディナーであっても、そういう場やジャンルが存在していて、そこでの立ち振る舞いなどを知っているのか知らないのかで、自分が接待する場合などに大きく差が出ることもありえます。


 しかし、それらはたしかにお金がかかります。では、体験は資産なのでしょうか、それとも消費なのでしょうか?



 ・・・これに関するパゲティ教授の答えは明解です。



 体験が資産化するのは、たった一度だけ。せめて二回までであり、三回目以上は確実に消費である。


これがパゲティ理論です。


 経験や体験は、1度味わえば身につきます。


 結婚も一度くらいしていても学ぶことはたくさんありますが、三回も結婚するヤツは何も学んでおらず浪費です。


 一度くらい高級ホテルでディナーするのはぜんぜんかまいませんが、いつもかつも「自分にごほうび」とか言ってるヤツはアホです。


 人生のうちで、一回くらいはダービーに参加してもみてもいいでしょう。パチンコ屋を1度くらいは覗くのも勉強です。

 

 いかがでしょう。体験や経験は形がなく、価値を数えるのも難しいものですが、「1回」という基準があれば、その体験を確実に生かせると思いませんか?











 

2015年2月20日金曜日

<4>『超21世紀の資本』 ス・パゲティ先生が送る新世紀型資本を考える ~ピケティ先生ごめんなさいスペシャル!~

 どうも、非経済学者のス・パゲティ教授(自称)です。


 ピケティ先生の「21世紀の資本」の流行に触発されながら、資本とは・資産とは何なのかについて考えまくっているこのコーナーも。いよいよ4回めに突入です。


第一回では、貧しきものがピケティ理論を応用することで、いっそ資本を持つ側になってしまおうぜ、というお話をしました。

第二回では、ふつうの平均的サラリーマンにとって、ピケティ理論を応用したらどうなるのかについて考えました。

そして第三回では、そもそも「株や不動産や証券」といった資産は21世紀じゃなくて20世紀型資産なんじゃね?という問題提起をしました。



いよいよ第四回では、21世紀型・新世紀型資産ゲリオンとはどんなものなのかをもう一度しっかり考えてみようという段になります。



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 youtubeで映像を上げている人、かつそれで利益を上げている人は労働者か資本家か、という問いを投げかけてみるところから話ははじまります。


 そう、いわゆるユーチューバーと呼ばれる人たちは、映像を製作して公開するという仕事をしており、それに比例する報酬を得ているという点では労働者の変形だと捉えることができるでしょう。


 逆に、一度作った動画が、そのまま継続的・反復的に利益を生み出す点に着目すれば、youtubeにおける動画は、あたかも利子を生む資産のようにふるまうことがわかると思います。


 こうした視点は、20世紀型労働と資本モデルとは多少ことなる場合もあるため、ここでは


21世紀型労働資本モデル


と勝手に名づけることにしたいと思います。


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 さて、では実際に具体例を用いながら、21世紀型労働資本モデルである「情報商材を売る人」というシステムを考えてみることにします。


 その実例は何を隠そう私パゲティ自身なのですが、私はとある楽器を弾くミュージシャンのはしくれみたいな趣味を持っており、その楽器を弾くためのテキストをPDFファイルでみなさんに頒布しています。


 その収入は、これまたおもしろいことに、税金の申告にギリギリひっかからない境界ラインである、年間20万円くらいになっているので好例だと思うのですがいかがでしょう。


(なので、20万円を超えている年だけ、たまーに飛び飛びで確定申告をしています)


 さて、パゲティは年間20万円の情報商材の売上げがあり、それはPDFファイルをメールにつけて送るだけですから、


 原価コストもほとんどゼロに近く、かつ手間コストもほとんどゼロに近い


ということができます。なので、年間20万円という金額は純利益であり、


「楽器の弾き方という情報商材の原本」という資産が、年間20万円の利子を生むもの


と解釈することができると思います。



 ほっておいても年間20万円の利子がつくというのはすごいことで、これが単純な貯金資産だと、仮に、住宅ローン金利めやすである1%で考えると、


 1年間に利子が20万円つくための原資は、金利1%で計算すると2000万円


に相当することがわかります。


(2000万円の元手があり、それに年1%の利子がつくとすれば年間20万円の利子が生まれる)




 これを、今度は普通預金の金利で計算してみると、ざくっと現在0.02%ぐらいだとして、


 1年間に利子が20万円つくための普通預金残高は、金利0.02%で計算して、10億円


に相当することがわかります。


(10億円普通預金で預けると、年0.02%の利子で、年間20万円の利子が生まれる)


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 まとめてみると年間20万円の不労所得を生み出すアイデアは、塩漬けされた2000万円~10億円に匹敵する資産価値を持つというわけで、なかなか面白い考え方だと思いませんか?


 こうして考えると21世紀型の真の資本というのは、20世紀型の不動産や証券ではなく


 不労所得を生み出せるアイデアやコンテンツ


であることがわかります。


 

 ピケティ先生の言うように、先祖伝来の資産を受け継いだものが基本的に有利だとしても、ビンボー人は労働ではなくアイデアとひらめきで同等の資産を作ることは可能だといえるかもしれません。



 これが、”超21世紀の新型資本”というわけです。

















2015年2月19日木曜日

<3>『超21世紀の資本』 ~これが未来のピケティ理論だ!~

 前回、前々回とお楽しみいただいている



「アホにこそわかってほしいピケティ入門」



でしたがいかがだったでしょうか?(そんなネタだったったけ?)




 いよいよ第三回は、ピケティですら言及していなかった?まさに新時代・新紀の


 資産補計画


についてお話しましょう。


 21世紀の資本といいながら、ピケティさんの話は「20世紀型資本を持っている人が、これからも勝つよ」、というお話でした。


 しかし、それでは面白くないので、資本の定義を見直すことで、庶貧民から普通のサラリーマンのあなたにも


チャンス


をプレゼントしたいと思います。





 いいですか?ピケティ理論の面白いところは、「利益を生み出す資産を持っているほうが、給料による努力よりも優位である」ということでした。


 ここで言う資産とは、不動産とか証券とか株とか、そういうものでしたが、これは、



 20世紀型の古い資産



であって、21世紀らしい新しい資産ではないところがミソです。



では、21世紀らしい”超21世紀な資本”とは何でしょう。実はこれは、資本・資産を持っていないあなたにも、それを持てるチャンスがある代物だったりするのです。



 たとえば、 多くの月間PVを叩き出すブログやyoutubeのチャンネル は21世紀型資本です。


 あるいは、その人しか所有していない特殊な情報商材など、も利益を継続的に生み出す新しい形の資本だと言えるでしょう。


 あるいは新しいアイデアを形にしたベンチャーを売り払えば、それは資産に変化します。




 そうです!資本というのは何も「不動産と株」だけではありません。そうした形の「新しい資産」を持つものも、有利な戦いを進めることができるのです。


 

 もちろん、毎日更新しなくてはならないブログや動画は資本のようでいてその実「労働」と化している場合もあるでしょう。そのあたりは、個々のアプローチの仕方で変動する場合もあります。

 しかし、それを言うなら、日ごとに売り買いを繰り返すデートレードは資産形成か労働か、というのに似ているかもしれませんね。



 まあ、それはともかく、ピケティ理論の大事なところは以下です。



 あなたに入ってくるお金は、それを消費するのではなく利益を生み出す資産に変化させなさい。


 稼ぎにおいつく貧乏なし、ではなく


 資産に追いつく稼ぎなし


だというわけです。

2015年2月18日水曜日

<2>平均的サラリーマンのためのピケティ入門 ~ふつうなあなたのためのピケティ実践~

 前回の記事、「年収300万円からのピケティ入門」では、貧しき者や庶民がいかにして資産を形成してゆくか、という実践的技術についてお話しました。



 ピケティによれば、お金を生む資産を持っていることは、頑張って給料を上げることよりも優位であるということでした。


 そこで提案したのが、


 理論的には、築35年のボロ一戸建てを買い、更地にしてでも売り払っていくことで、賃貸住宅に住むのでは得られない、


 勝手に貯まる現金資産


を生み出そうというテクニックでしたね。これは、建物の現実的耐用年数なども勘案しながら遂行しなくてはならないため、


 築50年でも、築100年でも、築150年でもOK


というわけではけしてありません。そこまでいくと建物が壊れていることが大半だからです。



 しかし、築35年の激安物件を5~6年スパンで更地にしてゆく作戦だと、2~3回繰り返せば、最大で1000万近く叩きだすことも夢ではありません。

 なぜなら、それくらいの激安戸建物件は、そもそもの売値がすでに「土地だけの値段」だったりするからです。土地だけの値段のものを土地だけの値段で売買できれば、何年住もうが下がりようがありませんね。


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 さて、前回のおさらいはこれくらいにしておき、今回はもう少し普通のサラリーマンさんのための


 ふつうなあなたのためのピケティ実践編


とお届けしましょう。


 資産とは何か、をもう一度思い出してください。



①保有しているだけでは資産ではない。売れたときにはじめてその金額の資産であったことに気付く。

②保有しているだけでは資産ではない。利子や利息を生む形ではじめて資産として生きてくる。


③保有しているだけでは資産ではない。それを担保に借りられる金額が資産ととしての価値である。



( このうち、③について、ほとんどの場合正当な値つけの金額よりも、貸してもらえる金額は下がりますので、特殊な状況下でしかこの機能はあまり使いたくない、やりたくないことはみなさんにもすぐわかると思います。

 切羽詰って仕方がないので、③の方法であるモノやある不動産を資産化するだけのことで、利益を上げるためには通常使わない方法だということになります。 )



 というわけで、平均的サラリーマンのボクや私にとっては、①か②の方法で戦うことになります。


 でもって、また振り返りますが、前回の記事で説明したのは特に①の方法、


「資産を資産として形にするために、買ったボロ家を売り払う」


というテクニックでした。


 しかし、これだと、平均的サラリーマンのあなたは我慢できても、あなたの奥さんはボロ家を転々とすることに激怒すると思うので、別の方法を探して差し上げましょう、というわけ。


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 そこで注目するのが②の方法です。ある資産が、利子や利息、そのもの以上の利益を生んだとき、それを「資産」と呼ぶわけですから、さっそく利益を出させてしまおうじゃありませんか。



 これは、普通のサラリーマン、普通の生活者誰にでも実践できることなのです。



 たとえば、月収30万円の一家がこれまた月8万円の住宅に住んでいるとしましょう。年間の住宅費は、8×12=96万円ということになります。

 そこで、誰もが一度は悪魔のささやきに声を掛けられるわけですが、


 96万円×35年=3360万円


なので、

3000万くらいのマンションとか、買っちゃいなYO!家賃と同程度だYO!


という話が持ち上がってくるわけです。


 まー、大半の人はこの殺し文句にやられてますので、大きな声ではいいたくないのですが、


 35歳の時に、35年ローンで3000万円のマンションを買ってしまった平均的リーマン





70歳の時に、売値800万くらいに下がった築35年のマンションを所有している


ことになるわけです。それを資産化しようとすれば、70歳の時に800万で売ればいいので、


800万円の資産


が手に入ります。ああ、よかった。



 でも、ちょっと考えるとすぐわかりますね。70歳の時に800万円の現金があっても、年金がもらえることをちょこっと横において考えれば、


 約2年ちょいで使い果たしてしまう金額


でしかないことがわかると思います。実際には、年金を多少はもらっているでしょうので、そこまで早くなくなりはしませんが、概ね75歳くらいで無くなってしまうレベルのもんだということです。


 ちなみに、もし800万円の資産に変換しようとすると、70歳にして賃貸アパートを探さなくてはいけないこともお忘れなく。




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 まあ、上記のようなことを日本中の平均的サラリーマンが実践しているわけです。そりゃみんな滅びの方向へ行くに決まっています。

 ほとんどすべての平均的サラリーマンは、資産を形成するどころか、なんかよくわからないけれど、何にも残らないわけですから。


 
 そこで、ピケティ理論を応用して考えます。上のライフプランのどこに問題があるかといえば、3000万円のマンションが、一切「資産形成をしてない」ところに問題があるわけです。


 ざくざくっと言えば、3000万円のマンションは、800万円の資産にしかなっていないので、実は


 2200万円の負債だった


ということがわかるのです。



 じゃあ、どうすればいいのか。簡単です。ベースとなる賃貸の家賃が8万円だったわけですから、年間の住居費が96万円でしたよね。

 すると、70歳時点をある意味人生の仮の終着駅だと仮定するのであれば、そこから生み出したい資産を逆算すればいいのです。


 ええい!96万だとわかりにくいのでざっくり100万としましょう。


 100×35年間=3500万


というのがざっくりの公式です。


 70歳時点での資産を2000万円にしたければ、1500万円の中古の家を買えばいいのです。簡単です。


 意味わかります??


 1500万円の中古の家を買えば、ローンを払うのは、年間100万円(96万でもいいけど)で15年間、です。

 つまり、50歳の時には、残債がゼロになり、そこから月8万円貯蓄すれば、70歳時点では2000万円貯まっているわけです。


 おまけに、その家を売り飛ばすことを考えれば、仮に400万円にしかならなくても、2400万円の資産が残る計算です。



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 何が言いたいのかわかりますでしょうか?


 3000万円の家は、3000万円分の価値があるわけではないのです。

 1500万円の中古の家も、3000万円の家も、住んで生活できるという価値は同じなので、(多少の痛み具合の差は出てくるにしても)

 

 支払う金額が安ければ安いほど、それを使い続けたことで生まれる利益は大きくなる



のです。


 まさにピケティ理論!!ある資産がどのように利益を生み出すのかを実例で示してますね。




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 これの最もわかりやすい例が、


「別に家借りたり買わなくても、実家があるからそこに住めばいいじゃん」


というやつです。これもまさにピケティ!!!


 親の資産があるほうが、絶対に有利なのです。だって、支払う金額が最初からゼロで、住める価値があるんだもん。





 というわけで、普通なサラリーマンのあなたは、ぜひおくさんと楽しいお得な中古物件探しにでかけてください。



2015年2月17日火曜日

<1>年収300万円からのピケティ入門 ~貧乏人のためのピケティ実践~

 フランスのトマ・ピケティというおじさまが「21世紀の資本」という本を書いて、日本でも大ブームになっているようで。


 おじさまの言っておられることは至極簡単で、これまでの歴史的なデータをたくさん集めて調べてみると、


「資産を持っている人が、資産から得られる利子は、働いて手に入れるお給料よりも多い」


ということになるそうです。


 なので、


「お金を持っている人はよりお金持ちになり、貧しい人との格差が拡大する」


というのが、彼の主張なわけで。


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 で、この話をどのように扱いたいかというのは、それぞれの主義主張によってニュアンスが変わってきます。

 ピケティさん本人は、格差が広がるのはあんまりよくないので、金持ちから貧しい人に再分配しないとダメだよね、的な考えに至るのですが、ここから何を教訓にするかはみなさんの自由にしたらええんちゃう?


 というわけで、じゃあ、その理論をもとに「お金を持っていない庶貧民はどうやって戦えばいいのか」ということをヨシイエ的には主張しようと思います。


 え?そもそもピケティが、「貧しい者は絶対負ける勝負だぜ」と言ってるのに、それをどうやって覆すというのか?!



 そこがヨシイエ理論の面白いところです。ヨシイエは基本的に貧しいものの味方なので、今日は


「年収300万円のボクがピケティ理論を実践したらこうなった」


スペシャルでお届けしましょう。


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 そのためには、ピケティ理論をもう少し現金化して考える必要があります。一般論ではなく、具体例で考えてみましょう。


 例)親からの資産が数億ある人は、その利子や金融証券などの配当で月20万円になったりする。

 例)親からの不動産がある人は、そこからの賃貸家賃収入などで月20万円になったりする。


 ということは、その人が普通に月20万円の仕事をしたら月給40万円になる。


 資産がない人が、月20万円の仕事をしていて、めっちゃ頑張って月40万円になったとしても、そこでようやく一緒になるだけで、資産がある人も頑張ったりしたら、絶対においつけない。


 そういう事例をたくさん集めてゆくと、結局資産がある人に対して頑張った人が勝てる勝率は低く、結局資産があるほうが勝ちということになる。



 まあ、ざっくり言えば上のような流れです。わかりやすいですね。そりゃ資産があるほうが最初から有利なので、資産がある人は次の世代、その次の世代に渡っても資産が増える傾向にあるということです。



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 じゃあ、我らのような年収300万円の貧民がピケティ理論を応用して勝つためにはどうしたらいいのか!

 その超簡単な方法を伝授いたしませう。


 

 まず、最初に覚えておいてほしいのは、「資産」というのは持っているだけでは資産ではないということです。これは勘違いしないでほしい、最低限のルールです。


 たとえば、100万円の花瓶を持っていてもそれは資産ではありません。もし割ってしまったら0円ですから、資産であるためには「割れないこと、かつ売れること」が条件になります。

 その花瓶を売るときにもし1万円にしかならなかったら、それは「1万円の資産」を持っていただけです。


 200平米の土地を持っていたとしましょう。その土地は、100万円の価値があるとします。しかし、持っていただけなら、毎年固定資産税が(仮定ですが)2万円かかるので、50年間で価値はゼロになるし、51年目からはマイナスになったりします。


 しかし、その土地を駐車場として貸せるなら、毎月少しでも現金を生みますから、100万円の50年後の収支は、恐らく増えているはずです。

 これはピケティの言うところの「資産による利子、リターン」に当たります。


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 で、第二段階です。第一段階で「資産は持っているだけではダメ」ということをお話しましたが、もうひとつだけ資産が「資産としてのパワーを発揮するとき」というのがあります。

 それは「売れた」時。です。

「100万円の壷が100万円で売れたら100万円の資産」だし、「100万円の土地が100万円で売れたら100万円の資産」だったと後から気付くことができます。


 後から気付く、を太字にしたのは意味があります。何度も言いますが、持っているだけでは資産ではないので、「売れた」ら資産だったと再確認できますが、「売れなかった」らまったく資産にはなりません。


(これの応用編で、別に売らなくても、それを担保にお金を借りることができる場合は資産とみなすことができます。もちろん、その場合は100万円の土地は80万円くらいに価値が下がるかもしれませんが)


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 ここまでまとめます。

 資産が資産としてパワーを発揮するのは


① 利子を産むとき

② それが売れたとき

③ それを担保にお金を借りられたとき(お金を返せずに取り上げられてもOK)


の3つということですね。


 さあ、この基本を踏まえて、貧しいサラリーマンや、派遣社員が「ピケティ」理論で戦いを挑むことにしましょう。


 ピケティの公式によれば、「資産が産む価値は労働による給料アップより多い」わけですが、だったら


私たちは給料でもらったお金をいかに資産に変換するかを考えればいい


ということになります。


 月20万円の給料を、20万円の資産に替えて、20万円で売れた場合はトントンです。

 月20万円の給料を、20万円の資産に替えて、10万円でしか売れなかった場合はマイナスです。

 月20万円の給料を、20万円の資産に替えて、21万円で売れた場合はぴけてぃーーーー!!!です。


 月20万円の給料を、20万円の資産に替えて、毎月1000円ずつでも利子が生まれるならば、これもぴけてぃーーーーー!!!です。


(ここはミキティーーーー!!!!風に読んでくださいね)


 


 さあ、じゃあ一体どうすればそんなことが可能なのか!!!!ここにはいろいろ制約があって、私たちは月20万円もらっても全額資産化なんてできないので、実際には、衣食住にかかる費用などをさっぴいた残りで戦わなくてはいけないことになりますね。



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 というわけで、いよいよ本丸に近づいてきました。


 庶貧民による、庶貧民のための、ピケティ実践編。


 その、第一の方法は、


「月20万円のうち、できる限り多くを貯蓄(金融資産化)する」


というものです。まあ、これはぶっちゃけ軽いジャブみたいなもんですが、あなどれません。


 大きな資産を持つ人の多くは、基本的に単なる消費に対しての貯蓄率が高いのです。年収が低くても、派遣社員でも、貯蓄が上手な人はたくさんいます。

 この方法は、時間がかかりますが、確実に資産が増えることは確かです。その意味では、全くのノーリスクであるところがすばらしい。


 
 第二の方法は、


「不動産スーパー大回転スペシャル」


というものです。これは、むちゃくちゃ面白い大技です。


 ピケティによれば、稼ぎは「リターンのある資産」に勝てないわけですから、月20万円の給料のうち、早々に資産化すればより最終儲けは大きくなるということです。


 そこで、不動産というわかりやすい資産を使って、大技を繰り出してみましょう。


 月給20万円のあなたが、月5万円のアパートに住んでいるとします。そうすると、月々5万円のマイナスが発生しているわけです。


 ところが、不動産を所有してそこに住めば、そのマイナスは発生しなくなります。


(と、このへんまでは、そこらへんにいる住宅セールスマンとおんなじですが、ここからが違います)


 ここで、おろかな人たちは、「家賃と同額ぐらいですよ~」という口車に乗せられて「マンションを35年ローンで買って」しまったりするのですが、それでは単なる


 アホ


です。


 ピケティ理論に戻ってください。資産は持っているだけじゃだめなんです。

 売るか、利子を産むか、借りるかした時じゃないと、資産は機能を発揮しません。


 35年ローンでその不動産に住んでるだけでは、35年間まったく機能を発揮しないのです。


 いいですか?「売れば」機能が発揮されます。ということは売れるまでの期間は短いほうがいい。

あるいは「賃貸にして貸せば」利子を生みます。これは逆に長い期間のほうがいい。


(最後の「不動産を担保にお金を借りる」のは今回は使いません)



 日本経済が上向きの時は、不動産を買ったときと売った時の差益があったので、誰でもピケティできました。

 ところが今はそうではないので、そのまま売買するだけではダメです。損をします。


 貸す場合は、住宅ローンの利子よりも、家賃収入が大きければOKです。これはいわゆる不動産投資というヤツですね。




 そこで、ヨシイエ的には、庶貧民が少ない元手・少ない給料でかつ最大限にピケティできる方法を編み出しましたのでそれを紹介しておきます。


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 月20万円の給料の人が、月5万円のアパートに住んでいるとしましょう。

 そのうち月5万円を資産化するために、300万円の築35年くらいのボロ建売住宅を買います。

 その家に、5年~6年住みます。

 そうすると、300万円をローンで買ったとしても、月5万×12月=60万 60万×5年=300万で、利子を乗せてもだいたい6年くらいで元が取れるわけです。


 ここで2つの選択肢があります。


 ボロ家に住み続けたい人は、住んでOKです。そうするとそこから建物がいかれてどうしようもなくなるまでは


 月5万円浮く


ので、月5万円のリターンが発生することになるわけです。



 その家を出たい人は、出てしまいましょう。300万円で買った家が300万円で売れるとは限りません。

 もう、なんなら200万円でもいいです。いっそ、100万円かけて解体して土地だけ200万にして売ってもいいです。それだと100万円残ります。


 この場合は、100万円~最大300万円の現金が手に入ります。これが売った時の資産パワーです。




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 アパートに5年住み続けるのと、ボロ家を300万円で買うのとでは、5年後がまったく異なります。

 方や何も残らず、方や100万円の現金が生まれているという違いです。


 この違い、この差、このリターンが、



 ピケティーーーーー!!!!



なんです。


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 今回はわかりやすく、300万円のボロ戸建を例にしましたが、あなたの住んでいる地域や、あなたの仕事、給料などによって、この


リターンがある物件の内容や価格、損益分岐点は人によって違い


ますので、いろいろと考えてみてください。


 基本的には、安い家で長く住めるほどリターンは大きくなります。また、築40年近いマンションだと次の買い手はつきませんが、築40年でも木造だと更地にして土地の値段だけにすれば、どうにでもなります。

 このあたりの匙加減は、頭を使ってくださいね。







 

 





2015年2月12日木曜日

<珍説?奇説?>謎だった『つわり』のメカニズム、『つわり』のしくみを解明してみた!?

 いつもは、不動産の話とか、もうちょっと社会的な話をしているのですが、今日は、全然雰囲気が変わって


『つわり』


の話をしようと思います。


 なんでまたそんな話をしているのかというと、ちょうど今うちの奥さんが妊娠中で、「やたら、つわりがひどい」ので、そこに着目したわけで。


 どんなことでも、興味を持って考えてしまうのがヨシイエの悪いくせです(^^;;

 どうして、奥さんがずっと吐きまくっているのか、「逆流性胃炎みたいになってるわー」と苦しんでいるので、その謎を解明しようと思ったのです。


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 そしたら、なんと!!全く新しい、ものすごい学説が誕生してしまいました!!!


 ヨシイエ流、超絶「つわり」の真実大発見?な仮設を、今日はじっくりと書いてみたいと思います。




 そもそも、つわりというのは「妊娠初期に吐き気や嘔吐が起きる」現象です。そして、面白いことにそのメカニズムが解明されていないそうです。


 ウィキペディアより つわり
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%82%8F%E3%82%8A



 医学の学説としては、ホルモンが関係しているとか、体質が変わるからとか、あるいは子宮等のスペースをつくろうとして胃が上がってくるなどの説があるようですが、私はもっと興味深いことに気付いてしまいました。



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 その謎を解くヒントは、「京都市立動物園」のペンギンさんにありました。

 昨日、動物園でペンギンを飼育なさっているドキュメンタリーをやっていたのですが、ペンギンという生き物は、卵を産んで、それを暖めて”ひな”が卵から出てきて、そのひなにお母さんペンギンが、自分の食べたものを胃から吐き戻して与えることで、ひなが成長するのだそうです。


 
 そのため、卵からかえったばかりのひなは、お母さん自身がごはんをしっかり食べないと自分にも回ってこないし、お母さんがしっかり「吐き戻し」をしないと体重が増えないのだそうで。


 あれ?吐き戻す・・・?


 胃で一度仮消化されたものを、ひなに与える・・・?


も、もしや!(笑)


というわけです。



 ヨシイエが考えたのは、「つわり」というのは、卵から返ったひなどりにエサをお母さんが与える行為なのではないか、という仮説です。


 しかし、大半の人は、「妊娠初期とひなどりは全然関係ないやん!」と突っ込まれることでしょう。

 そもそも、おかあさんが吐いても、それは全く赤ちゃんには食べさせられないじゃん、と。



 いやいやいや、違うのです。ヨシイエの仮説は、そこから一歩踏み込んだことを考えているわけです。



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 そもそも、赤ちゃんの姿は、成長するにつれそれまでの進化の過程を真似したような形態になっていることは、よく知られています。


ウィキペディアより 反復説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E5%BE%A9%E8%AA%AC


 簡単にいえば、赤ちゃんが受精卵から成長する間に、魚類っぽかったり、両生類っぽかったり、進化の歴史に似た形になりながらヒトへと形が変わっていくというお話です。



 ヨシイエの仮説は、ちょっとそれに似ていて、人間の母体も、妊娠初期において「鳥類だった頃の動きを再現している」とするものです。


 そう!なぜつわりは起きるのか。それは、「人間が進化する前に、鳥さんだったころの動きをなぞっている」という説です。



 もう一度、妊娠のメカニズムを考えてみましょう。受精卵は卵巣から「排卵」されます。実はこの時点でおかあさんは「産卵」を終えています。


 ふつうの動物の場合は、産卵は体内から体外へと卵を出す行為を指しますが、人間の場合は、卵巣から排出された「たまご」は、まだ体内である「子宮」へと向かいます。しかし、排卵そのものは、卵巣という機関から外に出て、体から切り離され、ただ体内をさまよっている状況なわけです。



 鳥さんの場合、「産卵」すると、体温を上げて「卵を孵化させよう」と抱卵に入ります。


 そして、人間の場合も、排卵から「体温を上げて」ゆくのです。受精がうまくいって、赤ちゃんが育ちはじめるとこの「高体温」が続きます。


 つまり、人間は鳥さんの頃のように「抱卵できるように、卵を孵化させるように」体温を上げていくわけです。


 ただし、鳥さんは卵を外に出していますが、人間は卵をまだ体内に持っています。しかし、鳥さんの記憶が体にプログラムされているので、卵が成長し、ひなどりになって卵から出てくる段階を見据えて



 エサを吐き戻す作業に入る



というわけです。どうですか?!この仮説!これが「つわり」なんです。



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 ところが、人間の場合、エサを吐き戻す必要はまったくありません。そこで、このあと、胎盤が作られ始めると、今まで「鳥だった頃のプログラム」が動いていたのが、


「あ、あたしトリじゃなくて、哺乳類だったわ」


新プログラムが動き始めて更新されるわけです。ここで「つわり」が止まります。


 おもしろいことに胎盤は胎児側に形成される臓器で、お母さんと退治は直接血液が交じり合うことがまったくありません。


 ということは、赤ちゃんは母体から見ると、胎盤を通してつながっているようではあっても


「完全に外」


にいるということになるのです。


(言い方はアレですが、赤ちゃんという異生命体が、お母さんに外から取り付いてチュウチュウ栄養を吸い取っているということです。エイリアンみたいなもんです)


 だから、チュウチュウされはじめる前までは、母体からみると「卵を外部に放出した」という意味では鳥さんの時代と同じ、ということになりそうです。


 そこから「哺乳類」プログラムのスイッチが入るのは、やっぱり赤ちゃんが子宮に取り付いて組織を形成するあたりから、ということになるのでしょうか?


(私は専門家ではないので、このへんは概略で書いています)





















 







 

2015年2月10日火曜日

吉家の後悔しないマイホーム持論 「なぜ屋根にベストをつくさないのか!」 ~失敗しない家づくり~

 もともと、不動産マニアなところがある吉家ですが、最近は、国家に関わる大きな話(大風呂敷?!)ばかりしていて、面白おかしいおうちの話をする機会が減っております。


 さて、以前より不動産投資家さん向けのサイト「健美家」さんが面白いな~、と思ってみていたのですが、とくにコラムの欄が読んでいて楽しい!


 不動産投資コラム「健美家」
 http://www.kenbiya.com/column/list




 私も建築関連業界の隅っこのほうで、暮らしているので、勉強になります。


 さて、そのコラム連載陣の中でも、ものすごく考え方が似ていて好きなのが原田ミカオさん。



 原田ミカオのゼロから学ぶアパマン建築入門
 http://www.kenbiya.com/column/mikao



 この方は建築家(設計士)&某大学の先生だそうです。


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 原田さんの理論が好きなところは、やっぱり「不動産投資」というどちらかといえば経営・経済的側面が強いお話の中に、「建築・構造・つくり」に注目した目線での話題が多いところです。


原田さんのお話を1話からずっと読んでいただくと、私ヨシイエが旧ブログやらで書き散らかした内容とよく似た話がたくさん出てくるのがわかると思います。ああ、おんなじこと考えている人がいるんだな~、と嬉しくなりました。


 『(太陽光)ソーラーパネルって、電気代の前払いなだけじゃないの?』(36話)


とか、私もよく言ってましたね~。懐かしい。



 あと、何はともあれ原田さんのすごいところは、建築家さんなのに「デザイン」よりも、いきつくところは「単純で明快な構造と、水を防ぐこと」だと達観なさっているところ。


 詳しくは原田さんのブログをじっくり読んでもらうとわかりますが、


「形は1階と2階がそのまま立ち上がった真四角な家がベスト」


「屋根は勾配屋根で、軒と袖(壁よりも屋根がぐるりと飛び出している部分)を出して、切妻屋根」


「屋根(・材)に穴をあけるな」


「シーリングは当てにしない」



などなど。本当にその通りです。


 そうしたことを設計の面と、実際に物件を購入・所有して手直ししている実体験の両方から見ておられるので、リアルに面白いのです。


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 さて、原田さんの理論を読みながら思ったこと。


 ほとんどの人はマイホームにまず、最低限そして最初に考える条件というものがあると思います。


 それは「雨漏りがない家であること」!


 全ての人がかならず、新築だったら「ずっと雨漏りしませんように」と思うし、中古だったら「雨漏り箇所がないかな」と真っ先に思うところ。


 でも、これまたほとんどの人は、


「屋根にまったく関心がない」


のが現状です。 屋根の形や材料が雨漏りに関係あるとか、屋根の材料によって後のお金のかかり具合が変わるとか、屋根の色と温度の関係とか、


ほとんどなーんにも考えない


のです。(教えてもらってないから知らない、というのもあります)


 で、TRICKの上田教授のセリフを借りて言うなら、


「なぜ屋根にベストをつくさないのか!」


と言いたいのがヨシイエの本音であります。



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 特に近年、壁から屋根がまったく飛び出さず、そのまま「箱」になっている家や、屋根の傾斜が片側だけの家屋根の傾斜(勾配といいます)がゆるい家などが、やたら増えました。


 これは一般のヒトには「ああ、流行のデザインなんだな」とか「目新しくてかっこいいな」と目に映るのですが、


ぶっちゃけ、まやかしです。



 屋根が壁から飛び出さなかったり、飛び出す長さが短いのは「屋根を工事する面積を減らして安く上げよう」という魂胆です。

 勾配がゆるいのは、「その分ギリギリまで垂直の壁が取れるから部屋を大きく見せられる」ということです。

 板金屋根が増えているのは「安く上がる」からです。そして、「瓦屋根は重いですよ、地震が怖いでしょ?」と言っておけば、何も知らないパパママはすぐに納得します。
(屋根を軽くした分、柱も細くしているのですが、そこまで説明しません)



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 原田さんじゃないですが、実際に建築の現場にいるものからすれば、箱形で屋根が飛び出していない家は、屋根と壁の継ぎ目のシーリング(シリコンとか、パッキンとか)が劣化すれば、かならず水が


 じゃじゃーじゃーじゃー!



と直接入ってきます。


 板金屋根と瓦屋根の熱伝導率は、考えればすぐわかりますが、夏と冬の電気代に直接影響します。


 そして、「電気代を安くするために太陽光のせましょう!」と屋根に穴をズボズボ開けてパネルをビスで取り付けるわけです。


 そりゃ、「すぐダメになるように元から設計されている」と思ってしまうほどです。



 まあ、コストの低い住宅にはいろいろと問題もあるのですが、最終的には、「大きな笠を被っていれば、雨風はなんとか最低限しのげるというのがヨシイエの基本理念ですから、



 ほかのところは差し置いても、屋根にはベストを尽くす



ということを頭の片隅に置いてほしいなあ、というところ。






 





2015年2月6日金曜日

<実国学を考える~番外編~> 現代の吉田松陰(自称)は何を考えているのか

 吉田松陰は江戸のテロリスト(国粋原理主義者)でしたが、それでも維新後の日本を形作る上で思想的ベースになった男であることは否定できません。


 私個人としては、別に吉田松陰を支持しているわけではないのですが、一般的にはわかりやすいと思うので、


 自称、現代の吉田松陰


と名乗っておくことにしましょう。わっはっは。


 そんな妄言はさておき、前回のブログで「若者と貧困と家族」の問題について考えたので、それを踏まえながら、吉家孝太郎が何を考えているのかをまとめてみたいと思います。



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 まず、自称吉田松陰な吉家孝太郎は、自称国学者です。で、この男が言っている国学は、「万葉集が大事」とか「天皇家は神の子孫」とか、そういう純粋な意味での「国学」からは少し発展してしまって、


日本という国家の形成とあり方を考える=実国学


というのを提唱しようとしているわけです。具体的には、どんなことを研究しているかというと、まずは


①日本人の苗字について研究している。(現代)

②その苗字から連動して氏族について研究している。(~江戸時代)

③さらに氏族が持っている土地について研究している。(平安~戦国時代)


ということになります。


 こういうことを調べていると、結果的には歴史の授業で習った「墾田永年私財法」とか、「守護地頭」とか、そういうのに行き着きます。


 そうすると、たとえば「□△」という名字の人を調べてゆくと、その氏族が鎌倉時代とかにどこそこ村や荘園の管理を任されていたことで、「地頭」だったり「守護代」だったりして、間接的に


 天皇から(あるいは有力者から)その土地を管理する権利を得た


ということがわかってくるわけです。もっと、昔になると、直接開墾したという理由で、その土地の権利を朝廷からそのままもらったりもしている場合があるわけです。


 で、この鎌倉時代とか中世までに「自分のものになった土地」を守るために、戦国時代にはそれぞれの氏族は戦国武将になって土地を取り合ったり、攻め込んだりするわけです。


 戦国時代にはいったん「所有者」がどんぶり返されて、下克上して(もと偉かったものが落ちぶれたりする)新たな所有者が(つまり大名が)土地をゲットするわけですが、名目的にはそれらは全部


 徳川家のもの


であり、それを領地として各大名に分けて与えたことになっています。



 しかし、実際に大名は現地で土地を管理していないので、その土地は元武士で、中世から現地でそこを管理していた中堅クラスの武将たち(現地の管理官)が所有していることになります。


 ところが、彼らは天下統一後、武士にならずに帰農して農民となるのです。

(一部は武士として親分についてゆき、専属軍人として暮らしますが、いざとなったら武器を持って立ち上がる半農武士もたくさんいました)


 そして、秀吉が、刀狩で武器を取り上げ、そうした元武将たちは「土地を持ったまま農民に固定」されてしまいます。


 それが、江戸時代に「庄屋」などとして、藩と土地を持たない農民をつなぐ「お上側の農民」として続いてゆくわけです。


 この「実際に土地を持っていた元武将の一族(今は農民)」は、実は戦後の農地改革まで土地を所有していますので、つい最近まで実権を握っていました。


 それから、ある程度土地は再分配されたのですが、昭和時代まではまだ家父長制度の影響が残っていたので、長男以外はその土地を相続できず、都会へと出て新たな仕事を求めることになったわけです。


 これが、金の卵世代~団塊の世代までの実際の日本の在り様なのです。


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 実国学者、吉家孝太郎は何を見ようとしているのか、だんだんわかってきましたね?

 そう、(ざっと)2000年以上もの日本の有史において、今のように都会化が進み、地方が衰退するようになったのは、ここ数十年のことで、かりに戦後60年で変化があったと仮定しても、


 1940年間は日本のあり方は、土地をいかに所有しているか


がすべてであった、ということになるわけです。


 この1940年間変わらなかった「権力者から、誰かの所有が認められ、その所有された土地を守るために生きている」というスタイルが、実は日本の国体とも言える構造であることに気付くと、現代のつい近年60年間が、いかに大きな変化であったかが理解できますね。


 そして、恐ろしいのはここからです。



 戦後60年間の変化は、1940年間続いてきた先祖たちの命のリレーを絶やそうとしているわけです。少子化、高齢化、地方の衰退は、それを如実に表しています。


 だからといって、実国学者、吉家孝太郎は


「中世に戻れ」とか「江戸時代に戻れ」とか、「昔はよかった」


というつもりは全くありません。


 世界とグローバルに繋がっている現代において、それは無理ムチャというものです。


 しかし、少なくとも「日本の国家の在り様」の流れをもう一度理解すれば、どうやって1940年間、先祖が子孫を残し続けてきたかのヒントくらいにはなると思うわけです。



 だから実国学に立ち返って考えてみよう、というわけ。



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 たとえば、土地そのものについて言えば、江戸時代までは基本的に「自己所有の土地」を作物が出来る直接貨幣価値を産むもの、と捉えていたので、江戸・大阪といった都市はあるけれど、その他の地域が


「田舎である」と衰退


していることはありませんでした。モノの交易交流は、当然都市ではたくさん行われています。しかし、当時お米は収穫量=貨幣でしたので、お米がとれる農村は、


「結果的に現金を生み出す産業地帯」


でもありました。だから、田舎である、衰退しているということはないのです。


 そして、各氏族はその土地を守ることに命をかけていたので、その土地が放棄されることはありません。なぜなら、その土地は「朝廷から認められた」「将軍から認められた」「権威者から認められた」という褒章そのものだったからです。


 翻って現代では、「貨幣価値がない」という理由で、先祖伝来の土地がどんどん地方では放棄されています。ここに、なんらかのメスを入れなくてはいけません。


 田舎なので、二束三文であると誰もが思っていますが、本来は「朝廷・将軍・大名」等に由来したその氏族の「本貫地」なのです。ここから意識を変える必要があります。



 もちろん、この背景には、氏族を中心にした「家父長制度」が破壊され、「父・母・子」という核家族に戸籍が分断されたことなども関係あります。


 吉家は家父長制度に戻せとは全く思いませんが、その氏族の経緯と団結を取り戻すことは、あながち間違いではないと思っています。

(だから若者が実家から出ないのです。これは氏族における自然な知恵です)


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 また、都会がより都会化することに制限を加えるべきだと思っています。タワーマンションができれば、本来の土地に対する容積は100倍にだって200倍にだってできるでしょう。

 しかし、地震がくれは灰燼に帰すでしょうし、それよりむしろ「少子化」を本気で考えるのであれば、土地を集約するのではなく、日本中に散らすことのほうが有効です。

 経済範囲が一極集中から、中範囲に広がれば、その土地を結ぶ経済活動も広がるからです。

(広範囲にしすぎると弊害があるので、まずは中範囲から衛星都市化すべきでしょう)




 もし、すべての建物が2階建てまでにおさまるとしたらどうでしょう。


 都市とおなじ機能を持つ地域、エリアは、現在の数倍まで広がります。


 つまり、現在の数倍の地域が「都会になる」のです。


 ヨーロッパでは、中世からの都市のあり方がそのまま残されていて、拡大を禁じています。そうした手法が取り入れられれば、日本は経済発展を維持できます。


 縦に伸ばすな、横に伸ばせ!


と現代の吉田松陰先生は言っているわけです。



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 貨幣経済、資本主義至上社会にあっては、「お金の価値」「経済的価値」が優先されますが、それを言い始めれば


「企業は全部、工場は賃金の安い海外へ作ろう」
「本社はタックスヘイブンの国外に置こう」


になるでしょう。


「個人の資産は、外貨で保有して、子弟は海外に送り込もう」
「英語が話せて世界に通用する人材になったり、育てたりしよう」


でもいいです。


・・・もう、日本いらないし日本人であることもどうでもいいじゃん!


 こうした貨幣中心の価値観は、申し訳ないけれど、戦後、それもここ20年くらいに立ち上がった「新しい価値観」です。


 吉家は、そうした価値観が、1940年間続いた「日本の国体」に勝るとはとうてい思えないのです。

 国家のありようとは、そうではなく、この島でこの土地でこの国でどう生きるかが問われているのではないでしょうか。


 上記のような価値観を追い求めて、何かを見失い、子どもも生まず、目先の利益だけを追求して、本当に幸せなのでしょうか?



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 まあ、話は尽きないので、今回はこれくらいにしておきますが、実国学の理念は、平たく言えば以上のようなベクトルで考えるものです。


 







 


 














 

2015年2月5日木曜日

「若者の住宅問題」を考える ~実家は牢獄か、それとも天国か~ 

 ビッグイシュー基金さんが出している


 「若者の住宅問題」
 http://bigissue.or.jp/activity/info_15010802.html


というレポートが議論になっているようで。レポートそのものは無料でPDF配布されているのでぜひ上記リンクから読んでみてください。


 で、それに対する藤田孝典さんの意見が、


 【家を借りることがリスクの時代:檻のない「牢獄」と化した実家】
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/fujitatakanori/20150204-00042801/


で、簡単にまとめると、


「若者の多くが低所得で実家から出て暮らしてゆけない」

「だから結婚もできない」

「学歴は意外に関係ない」


という感じ。


 おなじように、ブロガーで有名なイケダハヤトさんも、意見を出しています。


 「未婚で年収200万円以下の若者」の約8割は親の実家に居住。
 若者の「住まいの貧困」の現状
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/ikedahayato/20150111-00042146/


 基本的には、おなじデータをもとに似たような結論を導き出しているのですが、その結果として


「親の実家は、いつか劣化するという時限爆弾である」


というところまで言及なさっています。



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 実態として、若者が経済的に困窮していて、その結果として実家暮らしをしていて、結婚できず少子化である、ということはこれでわかりました。


 じゃあ、いったいどうすればその問題を解決できるの?という点については、ご両人とも


低所得者向けの住宅を手厚くするとか、低家賃の住宅を作るとか


そういうことが必要なんじゃないかと話しておられるんですが・・・。



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 さて、ここからはヨシイエの個人的見解です。私の以前のブログは


「年収300万円のボクが庭付きオール電化4LDKの一戸建てを買えた理由」
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300

だったので、ご存知のとおり、


貧しい者と住宅の関係


については、人一倍熱心に研究を重ねてきたつもりです。



 その「若者の住宅問題研究家(自称)」から言わせてもらうことがあるとすれば、


 住宅扶助や低所得住宅を作っても、根本的解決にはならない


と思っています。一見、お上からの扶助がよいことのように思うかもしれませんが、最終的には格差がより拡大し、ひどくすれば


「公的に造られた建物は立派なスラムのようなもの」


ができるだけだと思います。


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 現在、ヨシイエはこのブログを通じて、「実国学」という国家のありようを考えるプロジェクトを遂行中ですが、



「実国学シリーズ」
http://kotaro-yoshiie.blogspot.jp/2015/01/blog-post.html から連載中

「高校生のための人生の教科書」
http://kotaro-yoshiie.blogspot.jp/2014/10/01.html からスタート


 
最終的にいきつくところはおんなじです。つまり、「土地」(すまい)を通じて国のあり方を改革するということが、ヨシイエの考えの目標なわけで。


 ヨシイエ的には、地方再生も・国家の再生も・少子化晩婚化対策も、現代日本が抱える諸問題はすべてひとつだと思っています。そして、それらを解決するには、ひとつずつ場当たり的な手当てをするのではだめで、


 国のシステム全体を、まるで維新のように変革する


ことが大事だと思っているわけです。


 それも、誰も思いもよらなかった方法で!



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 ちょっと話が膨大すぎて、まとまりきれない可能性大なので、話の本筋は「実国学」シリーズのほうで、少しずつ段階的に説明しますが、取り急ぎ、今回の「若者の住宅問題」に対するヨシイエのスタンスとして旧ブログからいくつか記事を上げておきましょう。



親と同居するということ パラサイトの値段
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/2454923.html



日本の家は高すぎる! 庶民感覚で読み解く不動産の現状
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/3521576.html

家を買うなら「1000万円まで」にしなさい
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/4112106.html



フリーター家を買う SP !!
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/5858186.html

年収300万円台のプロが語る「低年収時代の生き方」
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/6015182.html

年収200万円時代を生き抜ける都市設計のあり方
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/7043680.html



区分所有という幻想 ~いよいよ多摩ニュータウン再生開始~
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/7635853.html

卵子老化の衝撃 「未来の日本を考える」
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/8510990.html

太陽光は農業です(キリッ)
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/9374772.html



津波想定地域の地価下落
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/10144477.html

なぜ2世帯住宅が注目されるのか
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/10500606.html



300万円で大家になって地方でブラブラ暮らす法
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/10622537.html

もう一度訊く!「どうしてマンションが資産になるのかわからん」
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/11706711.html

地元ヤンキーのほうが幸せなのか
http://blogs.yahoo.co.jp/nensyu_300/12496538.html




 このへん、別の記事を作ってあらためてまとめてみます~。